2009年5月25日(月)兵庫県の山あいにある自宅はとても涼しい朝を迎えました。
気温は15℃を下まわり、冬布団が恋しい気持ちで目覚めました。
トランプはもちろん元気です。今朝は自宅近くを散歩しました。

これは少し珍しい写真です。ピレネー犬のレディーはいつもゆっくり動いて、めったに走らないのですが、このときはご近所ワンちゃんの「ワンワン」に反応してピョンピョン。
耳が立っています。

近所の空き地で休憩。

自宅に戻ってきました。今、庭ではローマン・カモミールがあちらこちらで咲いています。
後ろの赤い花はシャクヤクです。

こちらは白のシャクヤク。あでやかです。

これは上とは別のカモミールの群生。小さな種がとんで、庭のあちらこちらで雑草状態になっています。
ぜいたくにフレッシュのカモミールティーを楽しめるのは、ありがたいことです。

突然、トランプがスイッチ・オン。庭を端から端まで駆けまわります。

全力疾走のあとは、草木に埋もれて休憩。

今から大阪に移動します。今日は涼しいくもり空ですから、トランプとレディーにとっても楽しいドライブになりそうです。
《蛇 足》
「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹(ボタン)、歩く姿は百合の花」というのは、古くから美人を形容する言葉として知られています。
わが家の庭にはボタンとシャクヤクが並んでいますが、ボタンが咲き終わるのを待ってシャクヤクが咲くこと、ボタンのほうが花が大きいことぐらいが相違点で、私〔夫〕のような素人には花や葉の形だけではなかなか見分けがつきません。
ボタンとシャクヤクの区別がはっきりするのは冬です。ボタンは葉を落として細い木の部分が残りますが、シャクヤクは地上部が枯れてしまい、宿根で冬を越します。
植物の分類ではともにボタン科ボタン属ですが、ボタンが木本(もくほん)、シャクヤクは草本(そうほん)、つまりボタンは「木」でシャクヤクは「草」なのは不思議な感じです。
シャクヤクはその名前に「薬」の字を使っている通り、漢方薬として根が使われます。
(ボタンの根もユリの根も漢方薬なのだそうです。)
そのような連想もあってシャクヤクは東アジアだけの植物というイメージがありますが、そうではありません。
シャクヤクはヨーロッパ文化の源流のひとつであるギリシャ神話でも活躍しています。
冥界の王、プルートの傷を癒すのがこのシャクヤクの根です。
英語ではボタンもシャクヤクも peony ですが、この単語はプルートにシャクヤクを処方した医術の神様の名前が語源です。
プルートといえば、この冥界の王から名前をとった冥王星(Pluto)も2006年に惑星から準惑星に格下げされてしまいました。
私たちが子どものころに覚えた「スイ、キン、チ、カ、モク、ド、テン、カイ、メイ」も、これからの子どもたちは「スイ、キン、チ、カ、モク、ド、テン、カイ」と覚えることになりますね。何か字足らずの感じです。
冥王星が1930年にアメリカ人によって「発見」されたときには、世界恐慌の暗い世相の中での明るい話題として大歓迎されたそうです。
「アメリカ人によって発見された唯一の惑星」である冥王星への当時のアメリカ人の思い入れは大きなもので、ディズニーのキャラクターでミッキー・マウスのペットである犬のプルートも、また、アメリカ人によって発見された元素プルトニウムも冥王星の名前から命名されました。
シャクヤクの話題が思いもかけない方へ進んでしまいました。
ご容赦を。